13 4月 2025 - 22:22
Source: Parstoday
トランプ大統領の関税戦争:アメリカ資本による賭博

トランプ米大統領が発表した相互関税は、通商上のライバルに圧力をかけることを目指していたはずだったのが、実際には市場の崩壊と米国の各世帯の収入の減少を招く結果となりました。

 トランプ大統領が世界各国への相互関税を発表した後、米国株式市場の価値は数兆ドルも下落しました。この決定は世界経済指標にも即座に悪影響を及ぼしており、日経平均株価やドイツのDAX株価も下落しています。

トランプ大統領はその後、相互関税の発動を90日間停止すると発表しましたが、市場は9日にわずかに回復したのみで、10日には再び下落しました。

トランプ政権は、キャロライン・レビット米大統領報道官が言う「目的ある特別な通商協定」に達するべく日本や韓国などの国々と協議中であるとしていますが、米FOXニュースは「金融市場をこれ以上混乱させることなく、どれだけ早くそのような合意を成立させられるのか」と疑問を呈しました。

真の敗者:富裕層だけではない米国民

株式市場の動向は富裕層にのみ影響を与えるというのが一般的な認識とされています。この見解は根拠がないわけではありません。米連邦準備制度(FRB)のデータによれば、2023年にはアメリカの富裕層上位10%が全米株の93%を所有しています。しかし、問題はそれほど単純ではありません。アメリカの総人口の大部分も何らかの形で株式市場に投資しており、その結果として市場株価の下落は広範囲に及び、時には低所得層に対しても大きな痛手となるからです。

定年退職者と最も弊害を受けやすい階層

米国では、退職を目前に控えた人やすでに退職した人には、市場の下落による損失を回復する時間が十分になく、退職金などによる資産の価値が大幅に減少する可能性があります。その結果、投資の削減あるいは、出費の削減を余儀なくされる可能性があります。

一方、トランプ大統領の関税政策による経済的影響で最大の被害を受けるのはアメリカの中流階級のようです。この政策により、多くの経済学者が以前よりもはるかに高い経済不況の可能性を考慮することを余儀なくされています。これらの影響は決して資産の減少にだけに限定されず、各家庭は物価上昇やより厳しい労働市場にも直面する可能性があります。さらに、企業はコスト削減のために従業員の解雇を迫られ、最終的には失業率の上昇を招く可能性も否定できません。

公約と現実の矛盾

今回のFOXニュースの報道は、「トランプ氏の貿易関税は彼が公言した目標(アメリカをより豊かにすること)に反し、実際には一般的な米国民の経済的幸福の低下、経済格差の拡大、市場の不安定の増大につながる可能性がある」と結論付けています。

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